「オーガニック栽培」有機質と栄養について

「フローラルガーデンの庭仕事」H28年6月17日の内容です。次回は7月15日「虫と共存する庭づくり」虫や病気との付き合い方。
■ フローラルガーデンの庭仕事講座/毎月第3金曜日(4月のみ第4) 10:00〜11:30
イギリスのガーデン本を読み解きながら庭目線の園芸基礎知識を学ぶ勉強会。
園芸と庭づくりの基礎を学ぶとともにフローラルガーデンの植物について説明します。
〈講師〉 ケイズガーデン 近藤かおり(フローラルガーデンよさみチーフガーデナー) 
〈定員〉70名 〈参加費〉 無料
*お申込みはフローラルガーデン事務局0566-29-4330またはinfo@garden-yosami.jpまで


スカシユリとグラスガーデン

「オーガニック栽培」有機質と栄養について

What is gardening organically ?  〜 有機栽培のガーデニングって? 〜
有機栽培のガーデニングは自然と一緒に仕事をします。自然と一緒に庭を美しく作ったり、作物を育てたりするのは、決して不思議なことや難しいことではありません。あなたができるやり方で有機栽培に挑戦すればあなたの植物は健康でいられるでしょう。
by Deborah schneebeli-morrell


1、オーガニック栽培
① 有機質をたっぷり含む土で育てる → 植物が健康に育つ環境に
② 化学合成の肥料や殺虫剤、除草剤を使用しない → 土中の微生物が活動しやすい環境に

オーガニック栽培は有機質土壌栽培です。土中の微生物や自然の力を借りながら植物自身が体力をつけ成長する、昔から行われている栽培方法です。
人工地盤(ロックウールや水耕栽培等)や化成肥料を使って人工的に計算された環境で育てる栽培方法で効率よく植物を大きく育てることは可能ですが、人工的な栽培方法は常に人間が管理し続ける必要があります。
有機質土壌栽培は植物自身が必要な時に必要なだけの水分や栄養分を土壌から補います。植物が自立して健康に育つことが出来るよう環境を整えることが、オーガニック栽培の中で最も重要な仕事になります。

〈オーガニック〉有機体の、生物から生じた、炭素を含む、有機栽培の、無農薬の(ジーニアス英和辞典より)
〈オーガニックファーム、オーガニックガーデン〉法律に基づいて定義された有機栽培農家という証明をうけている農家、庭園のこと。オーガニック証明団体に認可された肥料、土壌改良材、自然に由来する殺虫剤のみを使う農家や庭園を意味します。

2、有機質の役割
有機質土壌は植物が育つために必要な水分、空気、栄養素が豊富にある素晴らしい土

① 土地をやわらかくする/有機質を含む土は植物の根が育つスペースを作り、再び掘り返す手間を減らします。
② 湿り気と水分を保つ/スポンジのように水分を含むことができます。
③ 空気の保持と排水路を作る/水やりをすることで新しい空気が入り、土が呼吸します。
④ 微生物が活発に活動する/住み良い環境と食べ物は健康で幸せな微生物の集団を作ります。

有機質は土の中で重要な役割を果たします。砂地では粒を結びつけて穴を埋め、またスポンジのように水分を蓄えることで水を保つのを助けます。粘土では小さな粒を結びつけて大きな粒にし、水はけの経路を作ります。有機質はミミズを増やし、ミミズは水はけのトンネルを作ってくれます。

有機質のかたまりは土の構造を改良したり、バクテリアが働いて栄養素を土中に放出したりするのに役に立ちます。しかし、有機質は土中に栄養素を含ませるには良い材料ですが、それ自体が肥料という訳ではありません。栄養素が足りない土には肥料を使うことが必要です。

3、栄養素と役割
植物は光合成を通じて空気と水を利用して手に入れた酸素、炭素、水素で構成されています。植物が成長するためには光、水、空気の他に約30種類の化学物質を土から取り入れることが必要です。

主な栄養素不足すると自然の存在場所
窒素 nitrogen〔葉を育てるのを助ける〕・成長が遅くなる・上部の葉がうすい緑色に下部の葉が黄色になる・雨の中・マメ科の植物の根粒・堆肥・微生物のいる有機質土壌
リン phosphorus〔根の成長を促進する〕赤と紫などの暗い葉は秋に早く葉を落とす・鉱物や土の中・動物の糞や骨
カリウム potassium〔実や花の生産を助ける〕地面に近い古い葉の先端や端が黄色くなり、茶色くなったり枯死したりする・鉱物や土の中・果実・落ち葉
微量要素自然の存在場所
マグネシウム・白雲石
硫黄・火口付近の鉱物
カルシウム・石灰岩、卵殻、貝殻、硬水、骨粉、硬化した海藻、過リン酸塩
その他微量要素自然の存在場所
鉄、マンガン、モリブデン、亜鉛、 銅、ホウ素・大きな有機質のかたまり、海藻生産物等

*イギリスではリンが根、カリウムが実の成長を助ける栄養素という考えが主流

4、有機質材料でつくる肥料
【緑肥】地面に直接種をまき、すき込む
・窒素が固定されているマメ科の植物(ニトロゲンフィクサー)/ゆっくり効く天然の窒素肥料 。アルファルファ、そら豆、レッドクローバー、ルピナス等
・成長が早く分解されやすい植物(ノンニトロゲンフィクサー)/有機質をすばやく供給する天然の有機土壌改良材。ライ麦、ファセリア、マスタード等

【液肥】水に浸してつくる
・有機肥料や鶏糞堆肥を水に浸して作る/素早く効くバランスの良い肥料
・コンフリーを水に浸して日陰で3週間ほど寝かす/ミネラルとカリウムが豊富

*カモミール、タンポポ、ネトル、カノコソウ、ノコギリソウも栄養価が高く、緑肥や液肥、マルチングとして利用可能

〈参考文献〉
ORGANIC CROPS IN POTS / deborah schneebeli-morrell
THE ORGANIC HERB GARDENER / Graham Clarke
organic gardening techniques / Nick Hamilton
BUILDING SOIL / ELIZABETH MURPHY
The Complete How to be a Gardener / Alan Titchmarsh


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